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中古マンション購入の盲点 4

長期修繕計画と修繕金について

 大阪近郊の郊外でリフォーム済みマンションの購入を検討。希望のエリア、希望の広さ、希望の内装のマンションに出会ったお客様。ローンの返済期間と月々の返済額の予算、預貯金とのバランス。購入時に現金をいくらまで支出可能なのか?という不安があります。そこで購入希望者の今後のお金の出入りの予定表(ライフプラン)を作成し、マンションを所有後に住宅ローンの返済以外で現金がいくら必要になるかと調べるために現地のマンション管理事務所に訪問いたしました。

 

 マンション組合事務所に伺い修繕計画を見せてもらうことにしました。

 

 組合事務所も素敵でな外観で、マンションの質の良さを感じられました。

 

 管理人に長期修繕計画書(平成24年度作成)を見せて頂き、修繕積立金の見通しを確認したところ、平成29年度の値上げを最後に築46年まで向こう30年間は現状維持というスケジュールを確認できました。長期修繕計画に築30年目に第2期大規模修繕、築36年目でエレベーターの取替工事、築42年目に第3期大規模修繕を想定されていました。そこでシミュレーション上では来年(築20年目より)の修繕積立金を1500円ほど値上げする計画でした。

 やっぱり、そうか。。。

 

 マンションの修繕積立金が築年数に比例して徐々に修繕積立金が上昇するのはやむ負えません。計画書ではその後築50年まで据え置きで行けるとの予想でした。計画書に記載されている想定工事も決して安く見積もられてる感じではありませんでしたので、新たに別の工事が追加する危険性は工事費用が予想より費用がかかる事はあまりないのかなと思いました。何より今の修繕積立金が今後も定期に見直されてぐんぐん上がっていくんじゃないかと心配していたので、少し安心しました。

 

 よかった、よかった。これで将来の見通しはある程度クリアになりました。

 

 しかし、さすが大手の不動産会社が開発した大規模マンションです。自社の管理会社が入って長期修繕計画も各号棟でまとめられてて、シミュレーションも色々されています。管理組合の管理人も対応もよく、色々質問しても調べて回答していただけます。細かい資料をじっくり見る機会も少ないので色々資料を見ていましたところ、修繕一時金という言葉に目が行きました。

 

 『修繕一時金』

 

 「これって新築時に支払うやつですよね?」と聞いたところ、「いいえ、これは第2期大規模修繕時とエレベーターの工事時期に各区分所有者に一時金を入れてもらう予定です。」

 

 「え?」

 

 そうなんです。資料上は修繕積立金は築20年目以降は値上がりしないとなっていますが、実は値上げをしない分、工事の時期に一時払いで修繕金をもらう形になっているそうです。しかも価格は所有区画によって変わりますが、今回の区画だと築30年時に約100万円以上、築36年目65万円以上です。

 

 遅かれ早かれ11年~15年後に165万円が必要だそうです。前回のブログで紹介したライフプランをみると、お客様のお子様が大学在学時(7年後~13年後)が、教育費が一番支出の多い時期なります。それ同時期に住宅関係で100万円支出が発生する事になります。これは家計崩壊です。上記のライフプランに入れると、恐ろしいキャッシュフローです。それを回避するためには毎月今までの貯金とは別に新たに12,000円ほど積み立てる事です。日々の家計にとって大きな負担になりますし、老後の資金計画にも影響が出ます。

 

 新築を購入した際は、購入後30年目にやってくる修繕一時金です。多くのご家庭では既にお子様も巣立っているので、家計の負担は軽くなっている状況の方が多いと思います。やはり中古を購入した際は、教育費などの支出が残る期間で修繕一時金が発生する可能性が高いので、中古マンション購入者にとって大きなリスクになると思います。

 

 ちなみに販売資料は管理会社から送られてくる資料には、管理費、修繕積立金、専用利用料、汚水処理施設利用料など日々発生する固定費については記載されていますが、今回のような特別徴収金については記載されていませんので、長期修繕計画を閲覧して確認する必要があります。

 

 今回は、販売資料に記載のない住宅関係の一時金払いとライフプランをリンクして確認する事の重要性についてお話ししました。

 

 次回は最終回です。